手延の製法

手延そうめんも現在では多くの機械を使用していますが、その製法は手延べの製法でつくられています。
機械麺は麺の生地を圧延して切り出してつくりますが、手延べはその美味しさの事由である
グルテン組織を形成するために、多くの工程を時間をかけて造られています。
小麦粉に塩水をまぜて攪拌しグルテン構造が均一になった生地を作り、生地を2〜3時間寝かせます。
その生地を圧延して、約10pの幅で棒上に切り出します。棒上の生地をローラーに通し約5pほどに圧延します。
5p程に圧延された棒状の生地を二つ合わせてローラに通します。これを2回から3回おこなった後、
最後にローラに通すときに丸棒状の生地にゴマ油を塗付していきます。この生地をしばらく寝かせて熟成させます。
熟成の後、撚りをかけながら直径1p程の丸棒状の型で容器に巻き取って、これを一晩寝かせます。
翌朝、この巻き取った直径1p程の麺を2本の棒に綾掛けして寝櫃に入れ2〜3時間の間熟成させます。
その後、手で2本の棒に綾掛けされた素麺を少し伸ばし寝櫃に戻し熟成させる作業を数回繰り返してから、
2本の細木で麺を分けながら伸ばして門干しします。空気中の湿度が高くなる前に干すことて麺に含まれた
水分は上から下へ落ちて、素麺は一様な太さの白い糸のように出来上がります。
このように手延べ麺はグルテン繊維を壊すことなく、密で均一なグルテン組織を形成するために、
生地を熟成しては少し伸ばす事を繰り返し繰り返しおこなっています。美味しい麺はこうして造られています。
時間短縮のために工程をはぶいたり、麺の生地の熟成をはぶたりしてつくるのは正当な手延べ素麺と言えません。

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